月: 2007年7月

備えは大切

昨日のブログでも書いてありますが、昨日の10時過ぎに新潟県上中越沖を震源地とする地震がありました。死者9名、負傷者1000人以上という被害が出ています。

当時一人で仕事をしていたのですが、日本橋のマンションの10階にあるこの事務所も結構揺れていました。その地震が原因かは定かではありませんが、直後からマンション全体が断水してしまったようで、トイレも水道も流れないという状況になりました。3時間程で復旧しましたがその間、近くの公園にトイレを借りに行ったりしながら、この界隈全体が断水してしまったら大変なことになるなと思いました。事務所でも非常用の水やトイレその他グッズを買っておこうかという話は出ているものの、リアリティーがないせいか絶対に必要という感じではありません。それ以前に資料にあふれたこの事務所のどこに保管しておくかを話し合わなくてはいけなそうです。(萩原)


いよいよ(ツール編)

ツール・ド・フランスが開幕しました。

7月といえば、ツール・ド・フランス。

残念ながら、テレビの地上波放送は放送していません。テレビ放送しているのは、CS放送のスポーツ専門チャンネル「Jスポーツ」だけなので、多くの人が見れる環境でないのが残念です。ただ全ステージ生中継(1ステージ5・6時間ぐらいかかるので、後半2?3時間の放送ですが)。以前はNHKやフジテレビで総集編しかない時期もありましたからすばらしいです。

日本ではあまり騒がれませんが、ヨーロッパではツール・ド・フランスはサッカーのワールドカップやオリンピックと同じくらい人気があります。それが毎年あるのです(ワールドカップやオリンピックは4年毎ですが)。

絶対的王者のランス・アームストロングが一昨年に引退し、群雄割拠といった感じで誰が総合優勝するのか予想が出来ないのですが、以前のウルリッヒ(残念ながら引退してしまった)のように総合争いをする新人が出てこないかなと期待しています。(加藤)


海を望む岬の家・1年点検

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先月「房総・岬町の家」に1年点検に行ってきました。竣工写真の撮影で秋に伺って以来でしたが、野鳥の囀りや遠くから聞こえる波の音、そんな穏やかな環境が、時間に追われがちな日常を暫し忘れさせてくれました。住んでいる建て主さんでさえ外出して帰宅した時に窓から真っ青な海が見えると「早く帰ってくれば良かった!」と思われるそうです。1年の時間が経つ間にアプローチの斜面も建て主さんが植えられた草花の緑が育ち、ゴツゴツして見えた土留の自然石(岩)とも良く馴染んで素晴らしい花壇が完成していました。引き渡しから1年を経て訪れた時に、手入れがされている様子を見るとその家が愛されている事を伺い知る事ができ、嬉しくなります。海に面する環境はもちろん穏やかな事ばかりではありません。むしろ都市部に比べてけして楽ではないでしょう。恋愛に例えれば「惚れた弱み」なんていうのでしょうか。環境と同様に家も末長く愛される事を願っています。肝心のアプローチの写真は見とれていた為か撮りこぼしてしまいました。上は1年前、快晴だった竣工引渡しの日の写真です。(中嶋)


テーマ性

昨日、古い設計者仲間と話をしていて、皆で何かをしようとしてもなかなか昔のようにうまく決まらない、なぜだろうとなりました。皆忙しくなって時間的に一緒にということが困難になってきてかつ個々の状況も違い切実感が異なってしまったせいだろうとなりました。

しかしそれだけではなさそうです。むしろ歳を経るごとに共有体験が少なくなりそれに比例して皆に共通する関心も少なくなってきたせいでなないかと思います。つまり皆を繋ぐ共通テーマがなくなってきているのです。

良く考えるとこれは仲間内の集まりだけに限らずあらゆるところに見受けられる状況ではないかと思います。職場や家庭内、あるいは私的団体やマスコミなど社会全体でも見受けられます。

社会的に何とかしなければならない大きなテーマはたくさんあるのですが個々人の与えうる影響力から無力感が先に発ち行動を起こさせるだけの、というより個人のほかの選択肢に優先させるようなものは見つけにくくなっています。しかも社会的体験や知識も少ないと益々テーマの魅力もわからなくなっていきていて見出しにくい度合いは大きくなっていくばかりです。

個人の行動を制限させてまで他人と一緒の行動に向かわせる魅力的テーマが見出しにくい時代になり人と人を繋ぐテーマが存在しにくくなくなっているのかもしれません。社会全体がどんどん私的なものに埋没していっているのかもしれません。本当に楽しいことは自分以外の他人との係わり合いの中からしか生じ得ないと皆わかっているのにそうなっていくようです。

設計も同じで、社会に説得力あるテーマが少なくなってきているのかもしれません。(藤原)


七夕

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最近は一週間があっと言う間に過ぎ、あれっと一ヶ月、なんとなく半年が過ぎ、気が付くとゆく年くる年をミカンをほお張りながら眺めていると言うまさに”光陰矢のごとし”といった感じです。年齢からとも思えますが、最近の季節感のない時間の流れがそう感じさせているのかもしれません。今年もはや半年が過ぎ、七夕の季節となりました。小さい頃は「もっと大きくなりたい」(いつも一番前だったので)などとかわいい願いを短冊に書き、笹に結んでいた記憶がありますが、今では「もっと眠りたい…」などと最早夢のない願いを書く所も無く、通勤電車の中でいつの間にか実現している状況です。最近の子供達は何を願っているのかとふとショッピングセンターで見つけた七夕飾りを見てみると…”CO2削減” さとしくん!!君がこの国の総理大臣になるべきかも知れない。まぁ冗談かもしれませんが、しかしこれくらい意識すべき課題である事は間違いありません。運命の人と出会う事も一年間楽しく過ごす事もそして世界征服もこの地球温暖化の問題解決なくしては実現できないのでしょうから。話がそれましたが何しろ大切なのはこの環境を守り、残された自然を大切にし、ここで営まれる生活の中で季節を感じる事だと思います。排気ガスを気にせずに開け放しにした庭で笹飾りを眺め、素麺を食べつつ、スイカの種を飛ばしながらゆったりとした時間を過ごしたい、過ごす為の背景となる家を創りたいなと”CO2削減”の短冊を見ながら思いました。(石井)


夏の恒例行事

数年前から朝顔を楽しむようになりました。毎年種がどんどん増えるので、今年は家中のあらゆる窓から見えるようにセットしました。夏休みの宿題の朝顔の観察日記は大嫌いで、一気にまとめて書いたものでした。今では、双葉が出ては喜び、つるがまきはじめると感動し、毎朝違う色でアチラコチラと楽しませてくれる花はもちろんのこと、如何にカマキリから種を守ろうかと使命感まで燃やしたりして、梅雨から秋口まで結構長い時間楽しんでいます。(青島)


タワー

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先日東京タワーへ行ってきました。リリー・フランキー氏の小説の影響がまだ続いているせいか思った以上の人で賑わっていました。小説では病院から見える東京タワーが一つの定点として象徴的に描かれていますが、実際に見るタワーは定点として申し分ない不動の存在感で、近くなるにつれてビルの谷間から見えてくる姿には心躍るものがありました。長野県の諏訪地方には崇め祭られている御柱というのがありますが、タワーもそれに似たものを感じ、大地からそそり立つ姿とその定点としての存在が構築物の一つの大きな魅力だなと感じました。(大庭)


法改正の講習会

本日、法改正についての講習会が晴海のトリトンスクエアで行われ参加してきました。内容は耐震偽造事件を防止し、法令遵守を徹底することにより、建築物の安全性に対する国民の信頼を回復するという趣旨で6月20日施行された建築基準法・建築士法の改正の講習会です。

東京建築士会主催の講習会で今回4回目ですが第一生命のコンサートホールは満席で恐らく1000人近くは参加していました。概要はかじっていましたが、設計者にとってはため息の出る内容でした。要は建築確認・検査を厳格化し、違反を行った建築士への罰則を強化すると言った内容です。確認図書を審査機関でチェックするのに費やす日数が21日だったのが最大で70日、構造も一定の規模を超えるものは費用が一気に何十万増えることになります。しかも、提出書類に不備があるようであれば取り下げ、出し直しにまた同じ金額がまた掛かるとのこと。国交省としては図面不備による出し直しは設計者の責任であり、再申請費用は建築主にはさすがに請求出来ないだろうから自己負担となり、そういったいい加減な設計者は淘汰されていくということのようです。今まで申請図書の修正、加筆はは通常行われていたのでかなりシビアになり、ただでさえ建物の引渡しまでの日程調整に四苦八苦している状況の中で日にちが取られてしまうので、他の参加者も仕方がないけど大変なことになったなぁという感じでした。確かに建築士法上、耐震偽造の罪を犯した姉歯元建築士の罰則が罰金50万というのはあまりにも軽すぎるので改正には納得がいきますし、建築確認・検査を厳格化するのも良い方向に向かっていると思いますが、それに伴う日数や費用等の建築主や設計者への負担が大きすぎるように感じました。(萩原)

f:id:yuiarch:20070704220144j:imageこんなに分厚い解説書です。


いよいよ

U-20ワールドカップが開幕しました。

ちょっと前まではワールドユースという大会だったはずですが、いつのまにかワールドカップと名前が変わってました。この大会では過去、日本が準優勝という偉業を達成したこともあり、フル代表のワールドカップより期待感があります。やはり南米、ヨーロッパ勢も若いうちは精神的に弱かったり体格差もそれほど無かったりするので各国の差は少なめで、今大会も早速ポーランドがブラジルを下すという番狂わせがありました。

さて、今回の日本代表ですが準優勝した99年の面子(小野、稲本、高原らにトルシエ監督)に比べると監督含めインパクトは薄いですが初戦はなかなか良かったようでこれからも頑張って欲しいところです。諸外国では前大会のメッシのような選手が出てくるかどうかが気になります。ブラジルのパトやメキシコのサントスあたりには期待してます。

残念ながら予選では民放は日本の試合を録画のみの放送です。日本が決勝Tに行けばさすがに生放送になるでしょうし、多分行けそうなので暇な人は観てみてはいかがでしょうか。(柳本)


曳屋と鞘堂

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所用があり千葉中央区役所の近くを通りました。この千葉中央区役所の中に、旧川崎銀行千葉支店の建物が曳屋で移動して、鞘堂方式で保存されています。

曳屋(ひきや)というのは、建物を解体しないで、建物をジャッキ等で持ち上げてレールに乗せて、建物の形を保ったまま場所を移動させることです。旧首相官邸も2003年に新官邸を建てるために曳屋で移動したのが記憶に新しいです。

鞘堂は、既存の建物を覆うように新たな建物を建てたものです。平泉の金色堂を保護するために覆うように建てられた覆堂が有名ですね。

この旧川崎銀行の建物はホールとして使われているようで、イベント等が時々開催されているようです。今回は何も行われていなかったので、がらーんとしていて寂しい感じがしました。もっと日常的な事に使えばもっと身近な建物に感じられて愛着がわくような気もしますね。(加藤)