設計事例に▶「相模湾が見える家」を追加しました。
お子さんも独立されて、夫婦二人で都心から海と山の調和の取れた伊豆高原に 移住 をして建てられた住宅です。 移住 した後もリモートで働き、趣味のスキンダイビングを楽しみながら、自然に囲まれて快適に過ごされている住宅です。
是非ご覧ください。
設計事例に▶「相模湾が見える家」を追加しました。
お子さんも独立されて、夫婦二人で都心から海と山の調和の取れた伊豆高原に 移住 をして建てられた住宅です。 移住 した後もリモートで働き、趣味のスキンダイビングを楽しみながら、自然に囲まれて快適に過ごされている住宅です。
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目下建設中の「 釜石の家 」はFSU工法(過去の設計事例はこちら)で杉の木をふんだんに使用した一人暮らしの建て主のための平屋の住宅です。建て主は現在名古屋に住んでおり、リタイヤ後の生活を、自然豊かで生まれ育った故郷に近い街で過ごしたいという考えで結設計と一緒に土地探しからお付き合いさせていただき、この地に計画することになりました。
建て主さんは住まい方には具体的なイメージを持っており、災害に備えられる強い住宅、自然エネルギーを使って電気代やガス代など維持費を抑えることが希望でしたので、太陽光発電、太陽熱給湯のソーラーパネルを南に向いた切り妻屋根に載せる計画としています。
梅雨の合間の6月に上棟し(←前回ブログ参照)、ガルバリウム鋼板の屋根が葺かれ、開口部にはサッシが入り、だんだんと家の体をなしてきました。
ご覧のとおり居室は陽当たりのいい南側に配置されていますが、一部、奥まっていて光が届かない箇所があり、北側の屋根にトップライトを設置しています。雪の多い地域ではトップライトの上部に通称「ジャンプ台」と呼ばれる積雪対策を施工します。あたかもジャンプ台のような急勾配を付けてトップライトの上部や周辺部に降り積もった雪が溜まらないようにするのです。(参考:日本ベルックス 積雪用鋼板横葺き施工参考例)
今回は、施工者の方の経験から両脇に雪が流れるような形状に板金を製作していただきました。岩手の中でも特に雪深い遠野市の施工者ならではの配慮です。雪対策だけでなく頂部から流れてきた雨水もトップライトにかからずに流れやすくなっています。
トップライト直下はキッチン、水回りスペースに続く通路になります。北側からの光は直射日光のように強烈ではなく明るく安定していますので、日中は照明だけに頼らない明るさをもたらし、省エネにも寄与してくれそうです。
今回の現場では電気、設備の施工者の方たちとも打ち合わせをしました。FSU工法の配線や配管工事は、同じ木造の在来工法と違って内装が構造材が現しになるこの工法ならでは難しさがあります。それらを計画的にうまく隠す必要があるのですが、そこをよく理解していただけて施工されていました。
また、設計段階で分電盤の位置などから ここが最適だろう と指定していた電気の引き込み位置では、道路上で電線が横断するため規定の高さが取れず、位置を変更することにしました。(参考:東京電力 引込線地上高および離隔について)
私たちの事務所から「 釜石の家 」までは遠く、現場まで片道6時間かけて工事監理に行きますが、そのたびに得るものや気づきがあります。待ち遠しい完成までは、あと2か月程度です。
前回紹介した「無垢厚板壁の家の熱帯夜での睡眠 ~十年前の建主さんからのお便り1」のブログの続きです。
建て主さんから、最近の高騰する電気代、 太陽光発電 の設置、エコキュート、基礎蓄冷熱設備、建物の蓄熱性、等々、寝室のエアコンや熱帯夜の睡眠に関連して、まさにタイムリーな相談メールを頂き、私からの返信メールで始まるやりとりを紹介させていただきます。 前回のブログはこちら→
A・N 様
大変ご無沙汰しております。返信が遅くなりすみません。返信できずにいたのは、自分の怠惰もありますが、ソーラー発電をどうするかという課題は、ソーラー発電をすべきではあるが、どのメーカーでどう工事をするべきか、蓄電池も設置するか、ゼロ円で設置しますと言うところもあったり、海外メーカーの特に中国メーカーが安いということで設置し、遠い将来廃棄する場合についてはどうするかなど、どこも確かなことを謳っておらず、補助金も各県色々流動的で、結論出せずにいたからでもあります。太陽光発電設備の設置助成事業|東京都 こちら(tokyo.lg.jp)
A・Nさんの家は、南向き切妻屋根、基礎蓄冷熱設備、エコキュート、木の無垢材を使った工法(FSU工法・FM・DEWS工法)と、確かにソーラー発電向きです。
今、売電価格が買電価格の半分以下でもあり、設置するなら、できれば蓄電池も一緒に設置すべきと思います。蓄電池を設置しないなら、照明以外のすべての機器を夜間ではなく、昼間に稼働させたいところです。設置工事は、工事者や設計者に頼まなくても、A・Nさん(の調査と整理能力)なら自分で直に依頼した方が安上がりです。
どの程度のKWのパネルと蓄電池を置けばよいかも(代理店が)アドバイスしてくれるかと思います。
将来のEV自動車についてもどうしたいか、予算はどう考えているか、等も話して、見積もって頂くといいです。代理店を紹介しますので、一度来ていただいて、状況を話して見積もって頂くのがいいかと思います。
屋根の図面や年間の電気使用量と予算含めて書面化してメールし、最初に凡その見積もりを頂いてから会うのもありかと思います。ここ一年分の電気料金の領収書を用意しておくと、どの程度のワットのパネルと蓄電池があればいいかもアドバイスしてくれると思います。
なにか懸念があれば連絡ください。手伝えることはします。最終的に完成したら、経過も含めて教えていただけると、私たちの参考にもなり、ありがたいです。よろしくお願いします。
結設計 藤原
結設計 藤原様
お世話になっております。ご返信ありがとうございました。アドバイスのとおり、ひとまずご担当者様にメールをしてみました。お話を聞いてプランを詰めていきたいと思います。
電気代はけっこう節約している方だと思うのですが、年間で37万ほどでした。これで深夜電力が1.5倍になるとなかなかのインパクトになりそうです。
蛇足の話ですが、静岡の会社の3階建ての事務所ビルには自家消費用の太陽光パネルを設置して、V2Hの設備を導入しております。
最初は蓄電池として三菱の軽EVを購入したのですが、電池容量が少ないのと、たまに車として使うときに航続距離の短さがネックになりすぐに売ってしまったのですが、この夏再チャレンジということで、日産のリーフ(電池容量:40kwh)中古を150万ほどで購入しました。新車は電池価格が上がっているためどんどん値段が上がっていますが、程度のいい中古EVは電池容量から考えると相当コスパがいいと思っています。事業用だと太陽光パネルは特別償却ができ、中古のEVは単年一括償却ができるので、個人よりも決断が早く進められますので、導入検討が楽でいいです。
日中の太陽光を電気やエネルギーに変えて貯めておく、というのはいいソリューションだと思っているので、家でも会社でも積極的に導入していきたいと思います。また経過報告させていただきます。
S市 A・N
A・N様
色々職場での事例状況等含め、ご教授ありがとうございました。
そうなんです。ソーラーはどうすべきかは、なかなか簡単には判断をしにくいところがあります。
日産リーフ40KWの蓄電池ですか、確かにそれが一番コスパよさそうですね。当然V2Hを設置してパワーコンディショナーもそれに対応したものにしてあるということですね。さすがですね。よろしくお願いします。
結設計 藤原昭夫
結設計 藤原様
お世話になっております。藤原さんの仰っていることもよくわかります。
廃棄まで考えたソーラーパネルのライフタイムマネジメントはまだ道半ばとも言えますが、これだけ灼熱の太陽光線が注ぐようになった昨今、太陽光発電でその光を電気に変え、かつ屋根材の一部としての遮熱効果もある太陽光パネルはそれなりに有用なものだと思います。要は見積次第ですが、リースを活用しようと考えています。
これだけ電気代が上がってくると、リースの手数料を考慮してもすぐに入れるべきかな、と思っています。
10年前はFITで稼ぐのだ、という流れがあったので、パネル価格も高く、また技術的にも発展途上でちょっと歪んだ構造でしたが、売電価格が下がり、稼ごうという欲も削がれ、技術的にもこなれ、価格も安価になった今は導入時期としては適しています。
S市 A・N
以上が現在までのメールのやり取りの凡その文章です。他にも見積もりやシミユレーショングラフ等も頂いていますが、いくらか割愛させて頂いています。
東日本大震災での計画停電当時以降、売電利益を期待してソーラー発電を設置する建て主さんが一気に増えました。
昨今では売電利益もそれほど見込めず、電気代の高騰により売電するより自家消費の目的で設置される方が増えている流れになっています。
今回の十年前の建て主さんのメールで仰っているように、発電は昼間に限られるので、以前にお薦めした、(1年前に太陽光発電についてまとめたブログです→)電気の使用効率が約1/3ですむヒートポンプ室外機でつくった冷水・温水を昼間のうちに基礎の中に配管で回してコンクリートを蓄冷熱させ、日暮れからゆっくり放出させて家全体を蓄冷熱する基礎蓄冷熱設備の家が極めて有効な時代になってきたと言えます。
尚、無垢の木材を使用した工法(FSU工法)だとより蓄冷熱が効果的ですが、通常の在来木造工法でも十分効果的であることは数多くの事例で実証済みです。
(在来木造設計事例の建主さん夏の熱帯夜の睡眠にお薦め石神井公園の家 (yui-sekkei.co.jp))
記事に関するご質問は、「お問い合わせページ」から、または「LINE」でどうぞ。
関東都市部に住宅を建てられた建て主さんから、最近の高騰する電気代、太陽光発電の設置、エコキュート、基礎蓄冷熱設備、建物の蓄熱性、等々のご相談から始まり、最近の寝室のエアコンや熱帯夜の睡眠に関連して、まさにタイムリーな相談メールを頂きました。
木の無垢厚板壁(120㎜)で作られたFSU工法の蓄熱性と、基礎蓄冷熱設備との相性は設計者としては抜群と思って設計していますが、10年住まわれた建て主さんからの生の声が届きましたので、私がくどくど説明するより的確な思考をされているので、ここで紹介させていただきます。
(基礎蓄冷熱設備とは、基礎にパイプを配管しておき、夏は冷水、冬は温水を流して基礎に蓄冷熱させる方法です。末尾写真参照)
「結設計様、ご無沙汰しております。S市のA・Nです。
さて、7月より東電の電気代プランが変更となり、とうとう深夜電力が日中の電力とほぼ同じになります。時代が変わったと感慨深く思います。
当家が設計・建設された2011年当時は東日本大震災の直後ということもあり、まだ深夜電力プラン+エコキュートは有効でしたが、10年以上経過し、原発停止・化石燃料高、CO2削減の潮流には逆行した状態となり、化石燃料を使った発電で深夜にお湯を貯めるという行為が、ある意味時代に逆行している事になってしまいました。
(特に冬は一番お湯を使う夕方のお風呂の時間に温度が下がってしまっている)
元々2011年当時でも太陽光発電は話題になっていたので、当時も導入の検討はしましたが、結設計様がブログであげているとおり、太陽光発電パネルの技術革新のスピードや設置手法における屋根へのダメージなどを考えると前向きにはなれないという、藤原さんの話もあり、屋根自体は太陽光発電に最適な形状ですが、実際には載せなかった、というところです。
またエコキュートも12年ほどが経過し、近隣の家でもだいたい15年位でどこか壊れる、というのを見ていると、設備更新の時期とも言えます。
話は長くなりましたが、結設計様でのノウハウも蓄積され、ころあいかなと思いますので、太陽光発電設備増設+エコキュート更新を計画したいです。こちら結設計様に依頼すれば、業者の手配等お願いできるものでしょうか?それとも工務店さんに依頼するものですか?教えて下さい。
当家は基礎の蓄冷熱暖房を建築時に導入しているため、自家消費で電気が惜しげもなくフルに使えるとなると、様々な最適化ができそうな気がしています。急ぎませんので、お時間あるときにアドバイスいただけたらと思います。
話は少しズレますが、暑さが厳しいこの頃ですが、木の無垢材の調湿力には改めて感心しています。
一階は基礎蓄冷熱設備の効果がモロに出ますので、基礎蓄冷熱設備と除湿機を稼働させると、真夏でも非常に快適な状態になりそうです。
というのも、今までは昼間は電気代のことも頭にあり、基礎蓄冷熱設備はタイマー稼働にして昼間は稼働させていませんでしたが、7月からほぼ電気料金の時間差がなくなったこともあり、24時間稼働させたところ、一気に快適になりました。
深夜時間のみ除湿機を稼働させていますが、毎日タンクは満タンになります。
2日ほど除湿機が稼働すると、空間は更に心地よくなった気がします。木の無垢材が貯めていた水分をだいぶ吸い取ってあげて保湿の余力をもたせられたかな?と思っています。
1階はまだエアコンなしでやれていますし、エアコンをつけないで寝られるのはなにより快適です。1階で布団を引いて寝ている次女が、明らかに涼しくなって快適になったとびっくりしていたので、その通りなのでしょう。
S市という、標高が低い土地の家としては、湿度のコントロールによる空間の快適さはなかなか得られないものだと感じています。
2階は、どうしても屋根材がガルバリウム鋼板で、現しになっていることから、屋根に断熱材をだいぶ入れているとはいえ、夏の日光が当たると2階全体に熱気がこもっていました。
なので2階の子供部屋やリビングはエアコンを稼働せざるを得なかったのですが、これも太陽光パネルが座れば、ガルバリウムを覆う遮熱材としての役割も持ちつつ、電気を生み出し日中の消費電力を気にしないでエアコンを稼働させることができ、さらに1階の基礎蓄冷熱設備&除湿機の連続稼働+エコキュートが太陽光発電で実現できれば、システムとしてはほぼ完璧になるのでは、と思っています。
まだ想像の域ですが、木の無垢材の特徴を最大限発揮できるようなサポート機器が、電力の心配なくフル稼働したらどうなるのか。建築から10年が経ち、また楽しみができています。A・N 」
私共は意匠設計の事務所ですが、デザインがすべてとは考えてなく、居住性能の調湿機能や木の無垢材を使ったFSU工法やFM・DEWS工法(集成材工法)など、構法の躯体の持つ蓄熱性能等まで、フル活用して、住生活をいかに豊かにするかを、建て主さんの希望に触媒的に働きかけながら実現できればと考えており、それにぴったりなメールの内容でしたので紹介させて頂きました。
続く 熱帯夜 にどうぞ快適な睡眠を!
次回は、ソーラー発電設置の相談内容について、私の返信を含めたメールのやりとりを紹介したいと思います。
エアコンの風が苦手と言う方は多いです。暑苦しい夏の夜を、窓を開け放して、風通しで何とか凌ごうとしても、蚊の襲来は網戸で防げても、ガラリ付きの雨戸でもない限り、明け方や街灯の光で寝室が暗くならず、眠りが浅くなる方には、うまくいきません。近年の熱帯夜では、熱中症にならないためにもエアコンの世話にならざるを得ないようです。エアコンが苦手な人には、温度設定も難しく、冷たい風を避けて高めにすると、暑苦しく用をなしません。下げ過ぎても夜中手足が冷えて目覚めてしまい、人によっては偏頭痛に悩まされる方もいます。1時間切タイマーを使っても、やはり途中目覚めます。やっかいなエアコンの活用とその存在の隠し方の例を挙げてみます。
設計でも、寝室は思うほど簡単ではなく、エアコンの風の向きとそれをどう隠すかもそうですが、部屋の形状と広さでも、壁芯が1間半の間にベッドを縦に置こうとすると、壁との距離が50㎝ほどしか確保できず、もう少し広く欲しくなるとか、ベッドは凹んで寝苦しくなるので畳がいいという方とか、窓の位置も夏の西日の熱が部屋に蓄熱するので避けたい方、夜明けの光で明るくなるのを避け、暗さをコントロールしたい方、等々人によって微妙に違ってくる要素が多くあり、丁寧に検討する必要があります。
エアコンの風が嫌いと言っても、確かな睡眠をとるためや、熱中症にならないためにも近年の熱帯夜ではエアコンを上手に使うしか手はなさそうです。自分の場合、古い効率の悪いエアコンなので、夕べの対処は、寝る前にヤクルト1000を飲んで、暑苦しくなる温度より1度低く、27度でドライにし、風量は最低で、角度を上向きに固定し、朝までかけ続け、タオルケットで夜中寒くならないよう身を包むことで、朝までよく眠れました。皆さんもよく工夫して、ご自愛ください。
日本の住まいから「 和室 」が消えつつあります。
結設計でも、和室を設計する機会がだんだん減ってきました。特に本格的な和室は少なくなっています。
かつては、マンションでも一部屋は和室でしたが、今はほとんどが洋室のみとなり、戸建て住宅でも、ハウスメーカー等で和室を作るにはオプションとして追加を出さなければならなくなっていたりします。
和室は不要、それが世の中の大半の人々の要望なのかもしれませんが、中には和室が欲しいと思われる方もまだまだいらっしゃると思います。
そういった世の流れのなか、「馬込の家」では本格的な和室(茶室)として京間で造ることになりました。和室の真、行、草の種類分けでは「草」になります。
六帖と八帖の続き間で、八帖には床の間と脇床があります。茶室として使用するので、炉を切ってあります。裏千家の茶室なので、六帖の寄付きには大炉と(写真では畳の下で見えません)丸窓、壁床があります。
梅をモチーフにしたいという建主様の想いもあり、床柱は梅の木となりました。建主様が銘木店で探したところ、たまたま梅の木が一本あったということで、これを床柱に使ったらどうかということになりました。
この梅の木は、かなり曲がっているので、どう使うか難しいところでした。施主様と大工の棟梁と私共で色々検討して、必要な条件を整理していくと、段々方向性が見えてきました。最後は、棟梁がうまく納めてくれました。
曲がっていることでより梅の木らしさが出たように感じます。
写真の採寸している畳屋さんは、京都の嵯峨藤本畳店さんです。畳は、茶室用の畳表で造っていただきました。
襖は、京都の表具工房の静好堂中島さんにお願いしました。
その後左官屋さんが内部の壁に、下塗りした後、仕上げのわら入り左官材を塗っていきました。丁寧に作業されていましたが、作業が速いです。あっという間に塗っていきます。
天井は、杉板クロスに竿縁。本当は、無垢材の杉板を張りたいところでしたが、建物を準耐火建築物にする必要があることから天井には石膏ボード(15mm)を張ることとなり、金額を抑えることも考え杉柾目の敷き目張り風クロス貼としました。その上に竿縁を取り付けています。
竿縁が杉の無垢材ということもあって、クロスであることに気づかないぐらい違和感がないです。
壁は、柱が見えているので真壁に見えますがこれも準耐火建築物にするために、石膏ボード(15mm)を構造柱を覆い隠すように貼り、大壁にした上に付け柱を取り付けて真壁に見せています。
隔てる欄間の欄間板には、梅の彫刻がある欄間板を施主様が古材店で探してきたものを使いました。そのままでは、枠が大きくてこの空間にそぐわない感じがしたので、枠を左官で塗り込み見えないようにしました。それによって、武骨な印象から繊細な印象に変わりました。
寄り付きには、壁床があります。壁の上の方にある竹釘に掛け軸を掛けます。
大工さんをはじめ多くの職人さんが仕事をしてくれることで、家が出来ていきます。
炉壇など、続きは次回に。
過去の物件の和室について▷「和室・床の間・飾り棚ギャラリー」としてまとめて紹介していますので、そちらも是非ご覧ください。
(加藤)
先日、 伊豆高原 へ「相模湾の見える家」の竣工写真撮影のためお邪魔してきました。
お庭も整ってからの撮影タイミングで、あいにく梅雨時期となってしまいましたが、天気の様子を伺いながらカメラマンさんと共に待機させていただく時間には、デッキで育てているハーブの摘みたてハーブティーを頂いたり、建て主さんともいろいろとお話しすることも出来て良かったです。
静寂で鳥のさえずりが響き、別荘地ということもありますが、家では無いような非日常的な特別な空間のように思えました。
建て主さんは以前は都心に住んでいて、「相模湾の見える家」を新築し移住してきました。引き渡しをしてからおよそ半年が経ちましたが、特に不便な事も無く、とても快適に過ごされているとのお話が聞けてホッと安心しました。
書斎の本棚に、私たちが苦労して作成した模型たちが、建て主さんによって丁寧にクリアケースの中に収蔵されコレクションの一部となっていたのを見て、感激でした。
事務所に置いてあった時よりも数倍カッコ良く見えます。
晴れ間にドローンも飛ばせ、無事に撮影を終えることが出来ました。
「相模湾の見える家」の前回のブログは▶こちらです。
「 釜石の家 」はFSU工法で木材をふんだんに使用した、切り妻屋根の南面にソーラーパネルを載せた平屋の住宅です。車庫を含めて30坪ほどのコンパクトでシンプルな家の計画になりました。
土地探し(←前回ブログ参照)から約一年、設計、工事契約を経て、ようやく現場が着工したのがいまだ寒さの残る4月の事でした。
4月の地縄検査の様子、敷地の南側から見た写真です。
「地縄」とは、建物の位置を決定するため外周の中心線に張った縄の事で、地縄を張るということは建物の位置を地面に表すことです。建物の位置が図面通りとなっているか確認しました。
5月の配筋検査の様子です。
「配筋」というのはコンクリートの中の骨組みのようなものです。コンクリートはセメントや骨材からなり、いわば石のようなものなので、圧縮の力にはとても強いですが、引張られる力には弱いという特徴があります。反対に鉄は引張の力には強く、圧縮の力には弱いため、コンクリートに鉄筋を入れるとお互いの短所を補い長所を生かした強い構造となるのです。
配筋検査では、使用している鉄筋の径、間隔、型枠迄のかぶり寸法、開口部の補強などが正しく施工されているかどうか、コンクリート打設前に確認しました。
今回は外断熱工法で、通常は型枠を外した後に断熱材を張り付けるのですが、基礎型枠が断熱材を兼ねる製品を使っています。型枠廃材が発生しないこと、断熱材を張り付ける手間が省略されるため採用しました。
鉄筋に結束している白いチューブはコンクリートを蓄熱体にするために温水を通す配管で、後ほどヒートポンプへつなげます。べた基礎の一体に配管しています。
そして6月上棟の様子です。梅雨時期の上棟でしたので、雨が降らないか心配でしたが、何とか天気の持った2日間で、「FSU壁パネル建て込み→梁・桁・母屋・棟木などの横架材設置→垂木掛け→垂木間断熱材設置→野地合板張り→シート養生」まで終えました。
この「 釜石の家 」はFSU工法(過去の設計事例はこちら)での施工です。かつて震災後に何棟もこの工法で施工していただいた大工さんに今回もお願いすることができたので、とてもテンポよく半日でパネルの建て込みが完了しました。
今回、十分に乾燥された杉材を取り寄せ、自社工場でパネルの組み立て、加工を行いました。そのまま内壁の内装になるパネルの表面部分は、サンダー掛けをした上に、節の目止め処理が丁寧にされており、パネルの質がとてもよかったです。