月: 2007年3月

房総・岬の家

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結設計のホームページを更新しました。

設計事例に「房総・岬の家」を追加しました。

房総九十九里の海を見下ろす丘の上に建つ住宅です。パノラマに広がる海の景色をどのようにして室内に取り込むか、変形の敷地をどう生かすかをテーマに計画を始めました。海へ視界を広げる窓を持つ居間を中心に各室から見える海は時間の移ろいと共に様々な表情を見せ、日常の生活空間に変化をもたらしてくれます。

是非ご覧下さい。


欲と人格とルール

先日、友人の引越しを手伝う機会がありました。家具選びからの参入で、何も無い部屋に入った時に隣の部屋から聞こえてきたのは用足しの音。どうやらクローゼットと隣のトイレが隣りあっていて、その部分の間仕切りは石膏ボードすら張られていない模様。本来集合住宅の住戸間の界壁は石膏ボード2重張り+壁内にはグラスウール100mm充填などある程度満たさねばならない規準があるのですが、結構守られていない事例が多いようです。今回のアパートも大手メーカーの物件ではありますが(だからこそ?)、やはり手抜きはあるようです。基準を満たした界壁を作るには上の梁から下の梁まで壁を作ることになるので工程にも結構影響があり、昨年竣工した集合住宅では(原因が界壁だけかはさておき)随分と工期も遅れてしまったのですが、やはり後々のことを考えるとしっかり施工すべき部分です。昨今、建築関係の不正発覚が多発しております。ルールだから守るという考えが必ずしも良いとは思いませんし、建築主や使用者の不利益にならないために法の抜け道を見つけるのは悪いことではないと思いますが、自らの利益のために不正な設計や指示をするような無神経さを持つようになってしまうのは人間としてあまりに悲しいことだと思います。(柳本)


鉄の鶴

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最近、東京の町で大型のクレーンをよく見かけます。

クレーンのシルエットをみていると違うものに見えてくることがあるのですが、クレーンという言葉自体が、すでに鳥の「鶴」のことだったのです。最近知りました。

英和辞典を引くとたしかに、CRANEは、「鳥」鶴の意味と、(ツルのように首を)伸ばす, 伸び上がる「起重機」クレーンという意味で載っていました。

起重機(クレーン)を見て鶴を連想して命名した人はどんな人だったのでしょう・・・。(加藤)


海辺に建つ家

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今日も気温が上がり事務所から近い人形町付近の桜もほぼ満開です。満開といえば3月半ばに行った館山も菜の花が満開でした。館山へは知人の案内もあって女優の高樹沙耶さんの新築住宅を見学しに行ってきました。「あたりまえの家」をつくろうというコンセプトで建てられた、シンプルで無垢の木が心地よい住宅でした。フリーダイビングの日本女子記録をもつ高樹さんらしく、敷地は南側が海に面していて日の出から日の入りまで見ることができるそうです。

結設計HPで来月UPされる「房総・岬町の家」も海に面した住宅です。高樹邸の工事をされた方とは、沿岸地域での冬場の工事の厳しさをしみじみと語る事になりました。

まもなく3月も終わりです。今週末は「真間川沿いの家」へ家の中から見える桜を確認しに(つまり花見)に行ってきます。雨が降りませんように・・・。(中嶋)


世間の景気は悪い方がいい

ここ1,2カ月工事見積もりが予想以上に高く出て来てしょうがありません。設計が悪いからといわれそうですが通常とあまり変わらない仕様なのに高めに出てきます。

数年間の原油高が様々の製品と輸送費の値上げを促し、それと景気がよくなって行きそうな雰囲気が各職方さんの見積もりを強気にさせているのかもしれません。

確かにこれまでは工事屋さんも頑張って無理を聞いてくれてきたようなところもありましたのでこれ以上は強いられないかなという気もします。

私どもの事務所は世の中の景気にあまり左右されることが少なく恩恵も受けたためしもありません。むしろ景気の良い方が工事費の調整で苦労することが多く、正直世の中の景気は悪い方がいいのではと感じてしまう今日この頃です。(藤原)

Styltangfehuku


京都へ…。

行ったのではなく、行きたいなぁという話題です。むかし仕事の関係で神戸に住んでいた頃、毎週のように京都か奈良に出掛けていました。お気に入りは京都の正伝寺・円通寺、奈良は飛鳥の町と山の辺の道です。今年こそはと思いつつ、ずいぶんご無沙汰している状態です。実は京都・奈良が一番綺麗でお勧めなのは梅雨の時期です(で、晴れてたら)。人が少なく静かな古都は新緑が生き生きとし、長雨で活力を取り戻した苔が薄暗い庭に広がります。恐らく紅葉の時期よりも数倍綺麗なのではないでしょうか?(もちろん好みもありますが)今年こそは何とか行けないだろうか…。梅雨がそろそろ気になる時期になってきました。(石井)


居心地のいいキョリ

自宅のリビングダイニングには、部屋の中央にむかって1メートルほどの耐力上必要な壁が突き出ています。ソファを置くにも、庭とのつながりにも、部屋全体にはとても邪魔な存在です。ただ、その壁際のスペースに限って言えば、日当たりもよく長椅子を置くにはもってこいの場所です。別の誰かが壁の向こうでテレビを見ていても、それほど気にならずに本を読んだりプランを考えたりできますし、楽しそうな会話には飛び入り参加することもできます。

居心地がいいと感じる家族どうしのキョリは、物理的な距離はもちろんです、視線の抜けや、音の伝わり方でもコントロールできますが、どこまでのつながりが最適かは、家族の考え方によってかなり差があるような気がします。長椅子を陣取って久々に家族と一日過ごしながら、それぞれ自分のやりたいことをしながら、緩やかにつながっているなあ、となんだか妙に実感しました。いつか壊してやろうと考えていた1メートルの壁が、今の私の家族にはちょうどいいみたいです。(青島)


すむ

最近「すむ」という言葉について本でおもしろいことを知りました。

「すむ」という言葉には、住む、棲む、栖む(居住を定める)、澄む、清む(濁りがなくなる)、済む(事が終わってすべて澄む)などの字があてられますが、それらは同根で、あちこち動き回るものがひとつ所に落ち着き定着するという意味であり、また別に「巣」と同源でもある、らしいのです。

漢字好きのわたしにとっては、漢字文化ならではの「すむ」という言葉の奥行きがおもしろく、先人のものの見方と感性に感嘆してしまいました。(大庭)


桜開花

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先日東京で初雪が観測されるなどまだまだ寒く春の実感がありませんが、ラジオで桜が開花したとしきりに流れていたので、近くの浜町公園まで様子を見に行って来ました。どうやらここはまだ咲いておらず週末位になりそうな感じです。浜町公園手前に桜並木の歩道があります。ここは毎年近くの企業が花見の陣取りをしていて、さすがにまだいないだろうと思っていましたがすでに陣取りは始まっていました。10日も先の3月30日の陣取りまでしてあり、公共の場所を早い者勝ちといった感じで確保してあり、堂々と企業名まで書いてあるのには驚きます。公共の場所なんだから警察とか都もなんとかして欲しいなあと思います。仕事が少し切羽詰っている状況でもうすぐ桜が咲くよと聞かされるとなんだかあせってしまいます。(萩原)


街灯に出会う

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遅い初雪の夜、いつもの駅を降りると突然この異様な街灯が目に飛び込んできました。何度もこの駅で降りたことがありますが、こんなファンシーなものがあることに気が付かずにいたとは驚きです。町を照らすというよりはそれ自身がただ光りたくて光っているような力強さを感じました。しかし言ってしまえばこれは悪目立ちで、街灯だから許されるのかもしれませんが住宅では許されないなと思いました。(柳本)