月: 2007年3月

コンテナの美術館

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1/29でスタジオ建設見学で臨海副都心に行ったときに東京テレポート駅前にコンテナを交互に積み上げた建設中なのか解体中なのかわからない建築物があり、気になっていました。

この建築物は、ノマディック美術館という移動式仮設美術館で、設計は建築家の坂茂氏。この美術館は作品展「Ashes and Snow」の専用美術館で、すでにニューヨーク・サンタモニカを経て、日本にきているそうです。

3/11から開催ということなので、行ってきました。

貨物コンテナ152個で組み立てられた高さ10mの壁の間に紙管の列柱があり神殿の回廊のようです。コンテナの壁の間はビニール製の幕が屋根になっていて、広がりのある大きな空間になっていました。美術館自体が巨大なインスタレーション作品のようです。

作品は、象などのいろいろな動物と人が一緒にいる情景がセピア色で表現された写真と映像で、幻想的な風景が絵画のようです。

そういえば、結構長い映像が上映されていて、紙管を使った丸い椅子に座ってみていたのですが、結構寒くて最後のほうはちょっとつらかったです。6月までやっているそうですが、まだ寒い時期に行くときには暖かい格好をしていったほうが良いかもしれません。(加藤)


「雨呼んで地を固めるのです」

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3月初めに「荒川沿いの家」(仮称)が上棟しました。当日は朝から良く晴れ、降水確率も0%。まさに上棟日和。今日こそジンクスが払拭されるか!?そのジンクスとは・・・。

今回の工務店さんとは3年前に「蓮田の家」(結設計HP参照)で初めて一緒に仕事をしました。この工務店の常務Yさんは自他共に認める「雨おとこ」で、その時も地鎮祭で小降りの雨、上棟式当日は大雨(式が始まる頃には晴天)、3月の引渡しの時は積雪数センチとなる大雪と、Yさんが現場に来ると必ず雨や雪が降りました。その時は何故か私も「雨おんな」として仲間入り。そして今回は・・・。

午後になり、段々雲が増えてきて上棟式開始前になると遂に雨がポツポツと降り始めました。そしてYさんが現場に到着。やはり今日も・・・?

心配を余所に雨はパラパラと降っただけで止み、無事の上棟を祝いお清めをして歓談に入った頃には雲間から青空が見えてきました。隣に座るYさんに「遂にジンクスを払拭ですね!」と言うと「・・・残念。」と悔しがるYさん。「・・・え?」。。。どうやらYさんは「雨おとこ」を「ネタ」としていたらしいのです。まったく。。。

祝いを終え帰路につく頃には綺麗な夕日が荒川の水面を赤く照らしていました。「荒川沿いの家」は6月に竣工です。(中嶋)


サイボーグ人間になった。

技術の進歩はとどまるところを知らない。

建築では建物を大地に結びつけるため鉄筋(鉄の棒)ボルトを基礎コンクリートの打設時に埋め込んで硬化後その上に木の土台を載せ、貫きナットで固定する。かつてはその鉄筋を埋め込んでおかないと後からではボルトの確実で高い強度の固定が困難であった。

今日では多少高価ではあるが後からコンクリートにドリルで穴を開け、そこに鉄筋ボルトを差込み接着剤で固定する方法でも埋め込んでおいた場合と変わらない強度を得ることが出来るようになった。接着技術の進歩のおかげである。

建築設計で新しい技術を試みるとき不安を覚えたら大概自らが試してみてある程度体感的確信を得てから実行するようにしている。

 まさか自らの肉体で実験することになろうとは思わなかった。

十数年まえに治療したブリッジの義歯がおかしくなりその治療にインプラントを採用した。骨に穴を開け金属を埋め込みそれに義歯を固定する治療方法である。自らの肉体を鉄筋(チタン)で固定するという建築的実験になってしまったのである。これは肉体の建築化かと思ったが、むしろこれは人間サイボーグ化ではないかと思った。

 技術はジャンルを超えて進歩していく。(藤原)

down detector . Perpalentcalmi


この建物について

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メキシコのククルカンと呼ばれるピラミッドです。羽の生えた蛇と言う意味だそうです。名前の通り最下壇の部分に蛇の頭の彫像がおかれています。エジプトのピラミッドとは見た目がかなり違うしサイズ(底辺55m、高さ約24m)もだいぶ小振りです。マヤ人の暦として設計がされているかなり面白い建築をご紹介します。

面白その1:4面に階段が付いていて頂上に神殿が乗っていますが、4面階段段数合計と神殿基壇1段の合計が365段。一年の日数になっています。

面白その2:正面から見ると階段を挟んで9段ずつ9×2=18段ありますが、この段数は当時マヤ人が使っていたハアブ暦一年の月数になります。

面白その3:各段に凹みがありますが、1面につき52箇所となっています。これはハアブ暦(365日)ともうひとつマヤ人の使っていたツォルキン暦(260日)が一巡りして重なる年数(365と260の最小公倍数)52年を表しています。

面白その4:階段最下部に蛇の頭がありますが、胴体は一年に2回 春分秋分の日だけ現れます。階段側面にピラミッド段々の影が落ち、日のあたっている部分がちょうど蛇の胴体になるよう計画されています。

マヤ人は天体観測に優れ、非常に精密な暦を持っていました(1年365.242128日と計算したと言われています)。ゼロの概念もインドより早く紀元前既に使いこなしていたと言われています。こんな人々だから可能だった建築だと言えます。

中学生の頃からマヤ文明に憧れ、数年前遺跡を見て廻って来ました。最近TVでみかけ、またあの暑いジャングルの遺跡に行きたくなってきました。(石井)


旅の写真

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昔の旅行の写真を見ていました(・・ブログのネタ切れで?)。旅の直後に撮った写真をみると、その場所でうけた感動が強烈だったせいか、腕前のせいか、想像したとおりに撮れていないことがほとんどでいつもガッカリしてしまいます。ただ、時間が経って改めて見返すと、その時何を感じて何を写したかったのか、結構一枚一枚鮮明に覚えているもので、日常とは違う旅というの濃密な時間の経ち方を思いだして、またふらりと一人旅をしたくなりました。(青島)


鶴のような

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写真は現在進行中の現場の天井下地を写したものです。この計画はいくつかの経緯を経て、天井が曲面となっています。その下地は約4m近い長さの巻物のような原寸図を起こしてそれに合わせて大工さんが加工していくというもので、材を継いだ部分がちょうど頭のように見え、横に並ぶ下地は飛び立つ鶴の群れのようでした。(大庭)


現場アイテム2

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現場、事務所問わず常に持ち歩いているものでシャープペンシルがあります。現場での打ち合わせでは、口で説明するよりも図や絵で説明する方が正確に相手に伝わりやすいので書く物は必須です。図を描いても、もっとこうした方が良いなどと話が展開していくので書いたり消したり出来るものが良いです。そうすると鉛筆かシャーペンになるのですが、鉛筆だと削るものが必要になるのでシャーペンが便利です。シャーペンには使ったらすぐになくなってしまうような小さい消しゴムしか付いていなかったのですが、最近では消しゴム部分が延びてなくなることを気にせず使えるタイプのものがコンビニでも売っています。写真のシャーペンは、換えの消しゴムを別売りしているので今はこれを使っています。ただ、難点はシャーペンの先の部分が芯を引っ込める際に一緒に引っ込まないタイプなのです。現場で落としてしまうと下のコンクリートに先がぶつかってひん曲がってしまい一発で使えなくなります。今は換え消しゴムが売っていて、先の引っ込むタイプを探しています。シャーペンでこんなに長い文章になるとは思いませんでした。基本的にアイテム好きではありますが、仕事の道具としてたかだかシャーペンひとつにもこだわっていくのも悪くないと思っています。

この間、痛いことに現場にシャーペンを持って行くのを忘れてしまい途中のコンビニで買おうかと思いましたが、なかなか理想的なものがなく1時間ほどシャーペンを捜し求めてコンビニをはしごして歩いてしまいました。そうゆう自分はあまり好きではありません。(萩原)


降りる

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公道を走れない重機はトラックに運ばれてきます。で、上の写真はトラックから降りるところです。ショベルをつっかえ棒にしながらゆっくりと降りていく様を見ているとほのぼのします。ところでこの運んでくるトラックが道路状況によっては現場まで入れないこともあり、その際には警備員がついて鉄板を敷いたりしてキャタピラでのろのろやってくることになります。そして鉄板代やら警備員代やら道路占有料やらが余分にかかるのです。何かと価格が上昇気味の昨今、このような後に残らない部分にかかる金額をなるべく抑えるように考えるのも設計作業の一部なのかもしれません。(柳本)


天井の野縁組

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湘南の家の天井の野縁組工事が始まりました。野縁というのは、天井板などを張るための下地の骨組のことです。

この天井は、一般的な水平天井と違い、屋根勾配と同じ勾配の天井になるので、野縁も斜めに上がっていく様になります。

少しずつ出来上がる空間が露わになっていきます。(加藤)


花の品格・・・

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昨日は初夏を思わせるような陽気。花粉症なので恐る恐る窓を開けると風に乗ってジンチョウゲの甘酸っぱい香りがしました。穏やかな外の天気を横目に自宅のPCで仕事(いわゆる残業)をするも桜前線が気になり(腰痛も限界にきて)夕刻前に近所の砧公園まで行ってみました。公園の入り口近くに植えられた早咲きの桜は早くも散り始めていて驚きましたが梅の花もまだまだ見頃で甘い香りが公園に漂っていました。早咲きの桜に並んで咲く満開のボケの花。人間による掲示の表現次第で花の「品格」も違って見える・・・かな。砧公園内には950本もの桜が植えられておりその殆どが大樹なので満開時期の風景は圧巻です。その頃にまたご報告できればと思います。(中嶋)