投稿者: 藤原昭夫

自粛明け、実物の内覧会いかがですか

色々なことがオンラインでしか体験できない今日、コロナも激減したこの時期、久しぶりに建て主さんのご厚意で新築住宅の実体験の機会を頂きました。自粛明けといっても未だ油断できなく、第六波が始まる前に、少数ですが、私どものことを未だよく知らない方に、オンラインやネットではなく、実体験で知っていただく内覧会を開催します。

造成開始前の敷地からの風景

建て主の依頼条件
〇敷地は国立駅から歩いて10分程の距離の40坪程の広さの北入りの敷地(別紙)に4人家族の住まい
〇建蔽率と容積率は50/100
〇準防火地域
〇軒高7mを超えると日影規制がかかる地域
〇南隣家が近接していて、プライバシーと陽光の確保が難しいことを理解されてか、中庭を希望
〇駐車場1台分と駐輪場4台分を希望
〇できれば将来的にバリアーフリーに対応させ、階段幅を有効90㎝以上に。
〇リビングの天井高を少し高めに。

確かに私どもは「中庭ギャラリー」で紹介しているように、中庭を設けることがよくあり、色々な中庭を設けてきました。今回はさらに敷地に1.2m程の北側傾斜の高低差があり、その中で陽光とプライバシーを確保しながら限られた予算の中で、中庭のある快適な住まいを創るには、様々な計画的難しさや法的限界が内包されていています。多分、何の意識もなく、出来た家を見ていただくと、その平易さに、どう工夫したかを感じてもらえないかと思われます。今回は視覚的出来栄え以上に、敷地条件と希望をどう読み解いて、夫婦と子供二人のための住まいを設計者としてどう考えたかを、質疑交えながらご案内できればと考えています。そのため事前に敷地と周辺環境を示した測量図と建築前の敷地写真及び条件を添付します。自分ならどうするか考えて来ると楽しめるようにしています。というのは住宅設計の専門家はどんなことをしてくれるのか、理解いただけてないのではと、感じさせることが多々あり、単に格好よく作ることぐらいだろうと思っている方に、それだけでない設計者もいることを知って頂きたく開催します。

困難を誘発する要因
〇二階建ての南隣家が境界付近に迫ってあり、南に主庭を設けても、二階から丸見えでプライバシーが損なわれる。
〇単純に道路側に寄せて3階建てにしようとすると、最高軒高が7mを超え、日影規制に触れ、基準以上の日影が及ぼさないことを近隣住民に説明する必要が生じ、手続きも申請期間も大幅に長引く。しかも総三階だと道路(5.4m幅)斜線という高さ規制で道路際から離して建てる必要がある。それと真北方向がわずかに西に振れていることで、西側境界からの北側斜線規制にも触れ、3階部分の西側の部屋を縮小する必要も生じる。さらに3階建てとなると内部の石膏ボードを二重張りにするなど仕様条件と法的規制が増え、工事単価がアップする。
〇中庭のある住まいと階段幅を90㎝m以上に、という希望条件。
〇敷地の途中で1.2m程の段差があることでバリアーフリーと各部屋の十分な広がり感及び陽光をどう確保するのか。
〇総3階建て以外で単純に必用面積を確保しようとすると建蔽率と容積率オーバーになる可能性が大きい。
〇敷地の東西が隣家のアプローチのため、そこを他人が通ることでプライバシーの確保が必用。
〇総二階での中庭では最下階の部屋は自己の建物の影で陽光が望めない。

建築前の段差ある敷地と南側隣地に建つ隣家2軒の写真

計画とできた住まいに興味のある方は下記の内覧会申込フォームから申し込みください。
この「国立の家」は、すでに完成して入居されています。プライバシー配慮のため内覧会は予約制となっております。

希望者が多いような場合は別の機会にさせていただくことがあるかもしれませんが、ご了承ください。
集合場所についてはお申込の方にメールでご案内いたします。

■日 時:2021年11月27日(土)  午後2時~4時(午後2時集合)
■場 所:東京都国立市
■交 通:JR中央線 「国立駅」から徒歩15分程

※ご好評いただき終了しました。ありがとうございました。

 

【お知らせ】

家づくりをご検討の方で、私どもの建物の内覧をご希望される方は、下記フォームよりお申込みください。個別に建て主と相談のうえご案内致します。

    内覧申し込みフォーム

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    見学前に教えて頂きたい事項(任意)

    建築予定敷地住所

    住まわれる家族数とその特性
    (あれば)

    予定敷地面積と敷地の特徴
    (感じている限り)

    ご希望総床面積

    建設予算

    万円


    中庭のある家 | 中庭 タイプ別ギャラリー 実例18軒

    中庭のある家 「空庭舎」中庭の夕景
      

    住宅を設計していく中で、プライバシーの確保が日差しと同じぐらい重要な要件になります。そのための手法として「 中庭 」が極めて有効になります。そこでこれまでの設計事例から特徴の際立った 中庭のある家 の実例を集めて、ギャラリーとして紹介します。


    目次

    結設計の設計事例の中から、建物形状タイプごとに中庭の実例を紹介します。

    1.ロの字型
     中庭の周り(四方)を建物で囲んだタイプ。建物を上空から見るとロの字型に見えます。
     1-1 空庭舎 
     1-2 三ツ沢上町の家
     1-3 坦懐居
     1-4 五枚屋根の家
     1-5 つくばの家
     1-6 方円汎居

    2.コの字型
     三方を建物に囲われていて一方は解放されている中庭
     2-1 鎌倉の家
     2-2 真間川の家
     2-3 三鷹の家
     2-4 市川の家
     2-5 文京区の家
     2-6 碑文谷の家
     2-7 佐倉の家
     2-8 空環居

    3.L字型
     二方を建物に囲われていて二方は解放されている中庭
     3-1 飯能の家
     3-2 菊名の家

    4.坪庭
     光や通風を主目的とした小さめの中庭
     4-1 清浄居
     4-2 深沢の家


    紹介した中庭のリンク先に設計事例も紹介していますが、ホームページの設計事例にない場合、私共著作の「美しく住まいを整えるデザインのルール85」には掲載せていますのでそちらを参照ください。


    1.ロの字型

    中庭の周りを建物で囲んだタイプ。上空から見ると建物がロの字型に見えます。
    中庭を全方向からしっかり囲むため、外部からの視線が気にならないプライベートな空間になります。
    ただし、ロの字型にするには、比較的敷地が広いことが必要です。

    1-1「空庭舎」

    空中庭園の中庭。
    2階にロの字型の平屋をつくり、その中心に中庭がある事例。1階は貸し駐車場。
    2階の住まいに設けた緑豊かな中庭は言わば空中庭園。都心における完全なプライベートな庭園空間を実現しました。

    中庭のある家 空庭舎の 中庭
    典型的な三間角(5.46m×5.46m)の中庭で、2階レベルに設けた事例。広さに殆ど不足を感じません。
    2階にあることで、周囲からの視線を感じることはありません。
    中庭の効果として、風通しが良くなることが挙げられます。
    屋根の上の風により、中庭が負圧になり、中庭から空気が吸い上げられるようになるので、中庭があることで風通しが良くなります。
    中庭のある家 空庭舎の中庭を下から覗く
    中庭の池を泳いでいるメダカが下の駐車場から見えます。(空庭舎

    1-2「三ッ沢上町の家」

    この家は、敷地が接している南道路より建てる場所が1.5mほど低くなっていて、普通に南側に庭を設けると周りの家から覗かれてしまい、プライバシーの確保が難しくなるため、中庭としました

    中庭のある家 玄関から中庭を見る
    玄関を入った先に3間角(5.46m×5.46m)の中庭
    中庭のある家 中庭を中心とした間取り
    中庭のある家 三ツ沢上町の家キッチンからの 中庭
    中庭を挟んで玄関の反対側にあるキッチンから中庭と玄関方向を正面に望むことができます。
    中庭のある家 中庭を中心に各部屋がある
    居間食堂が中庭を望んでいることが分かるように、中庭を中心として計画された家です。
    中庭のある家 和室から中庭
    和室さえも廊下の向こうの中庭から採光していて、中庭をすべての部屋が活用しています。
    中庭のある家 上空から見るとロの字型の家だと分かります
    中庭では風通しが心配されますが、屋根形状から分かるように、少しでも外に風があると中庭は負圧になり、各部屋の外壁側の窓と中庭の窓を開けると、部屋の空気が中庭に引き出されます。

    1-3「坦懐居」

    広い中庭は、屋外での食事スペースや子供達の遊び場でもあるテラスも、また小さな菜園もあります。
    周囲の近隣からは四方に屋根があるため、全く覗かれません。奥に見える格子壁は自転車置き場で、向こうからこちらは見えませんが、帰ってきた気配は居間から分かります。その隣の木製引き違い戸は車庫に通じていて、中庭の工事や引っ越しの物の出し入れに使用されます。

    中庭のある家 広めの中庭
    住まいの周りに庭を設けず、中庭のみということで4.5間×4.5間と広めの中庭事例です。
    これだけの広さがあると、中庭というよりプライバシーが完ぺきな普通の庭と言ってもよいかもしれません。

    1-4「五枚屋根の家」

    プランは広々とした中庭を中心にしたコの字型ですが、大きく開いた南面のプライバシーを確保するために、中庭より80cmほどレベルを下げた低い屋根の駐車場で通りからの視線を遮りながらも居間からの視界を極力妨げない断面構成としました。

    中庭のある家 
    南側の一方が駐車場の5間×4.25間の中庭の事例です。
    中庭というより大きなパティオと言った方がいいかもしれません。
    この中庭(パティオ)の下に、その後地下室を増築し、下の写真のようになりました。
    中庭のある家 中庭の地下に地下室を増築
    リビングの開口部の前に地下室への階段室をガラス張りで増設し、入り口としました。
    中庭のある家 浮造りのコンクリート打ち放し壁の階段
    中庭からこの階段を下りていきますと
    中庭のある家 中庭下の地下室
    中庭の下とは思えない地下書斎と練習場があります。

    1-5「つくばの家」

    3間×3間の四角い中庭を中心に構成された住宅です。
    この中庭は、四方に開かれた敷地において完全なプライバシー空間の確保を可能にしています。又、中庭の床と壁を室内と同材で仕上げ、天井を中庭に向かって開くように勾配を設けることで一体感をもたらします。

    室内を回遊する日常の中で中庭から差し込む光が時間や四季の移ろいと共に様々な表情をみせ、新たな発見を楽しむ事ができる家です。

    中庭のある家 平屋のアウトリビング中庭
    3間角の中庭の床レベルを居間と同じにすることで、アウトリビングにした事例
    中庭のある家 中庭と室内の一体感
    レベルだけでなく居間食堂の床・壁の仕上げも同じにして、中庭との一体感を強調しています。

    1-6「方円汎居」

    敷地が道路より半階分下がっていて、周辺のマンションから見下ろされる場所なので、プライバシーを確保できる建物形状として、ロの字型プランで設計しました。

    中庭のある家 多角形の中庭
    階段上った玄関から見える円弧の中庭の事例です。
    中庭は円形でも外観は正方形で、風通し用に少ない開口部を設けています。
    屋根の上に見えるのは空だけで、プライバシーは完全に守られます。
    屋根からの雨水は開口部の各継ぎ目に設けた細いパイプから室外に放流されます。
    中庭開口部は既製品サッシの全面ガラス張りで、家じゅうの様子と気配が伺えられます。
    各部屋に一日中異なる色合いの日差しが入ります。
    円形と言っても正確には12角形の中庭になります。

    2.コの字型

    中庭の3方を建物で囲んだタイプ。上空から見ると建物がコの字に見えます。
    中庭に対して3つの面が建物になっているので、外部からの視線をほどよくさえぎります。一部が外に面しているため、適度な開放感も確保できる点が魅力です。
    周囲の住宅が密集している敷地の場合は、外に面している部分を壁等で塞いでロの字型のように、外部からの目線が気にならないプライべートな空間にすることも出来ます。
    建物と中庭の両方にしっかり光が入るようにできますが、方角や建物の高さなどにも配慮する必要があります。
    間口に対して奥に長い敷地などで明るさが取りにくい場合などに向いています。

    2-1「鎌倉の家」

    敷地は、間口が狭く南北に奥行のある敷地です。その奥行に沿って西側に細い通路が存在しています。その通路と奥行の長さをどう克服し特性に転化できるかが設計のポイントです。

    通路に沿ってあった既存の植栽を活かし、コの字状プランの間取りにし、中央部に中庭を設け、そこから各室の光を確保しています。二階西南側を部屋にせず、デッキを設け一階北西の部屋に午後からの陽射しも入れる工夫をしています。居間と食堂が南北に離れている気がしますが、むしろ適度な距離で、なかなか快適そうです。

    鎌倉の家の 中庭
    中庭を玄関、階段、二階居間食堂、デッキが取り囲むコの字型の1.5間角の中庭です。
     階段越しの中庭
    鎌倉の家2階からの 中庭
    二階食堂から南側の中庭を望む写真で、向こうの玄関上に部屋がないため中庭に陽が差します。

    2-2「真間川の家」

    南北に細長い敷地の特性を生かす事、「緑に囲まれた生活」を強く希望されている事を念頭に計画を始めました。

    建物のボリュームを南北に分けコの字で囲むように中庭を設け、そこに緑を植えることで個室を除けば室内のどこからでも中庭の緑を眺めるように計画をしました。
    2階の居間と食堂は中庭によってスペースを隔てられますが、それによって居間から食堂を見ると中庭の緑が家の中に取り込まれたように見えます。

    玄関前のコの字型の中庭で階段室を開放した事例
    洗面脱衣室の採光にも活用

    2-3「三鷹の家」

    南北に長く東西方向が狭い敷地なので、車2台分の駐車場を道路よりに確保するとなると、周囲はもちろん、南側にも陽光が差し込むような余裕は取れず、1階の居室には南側からの陽光は期待できません。いわゆる逆転プランの2階居間食堂の総2階建てに近い間取りになります。

    おのずと1階への採光は、何とか設けたコの字形の中庭からになります。この4畳弱の中庭がこの家の重要な役割を果たしてくれることになります。中庭の周囲の壁がすべて2階建ての高さになると、小さい中庭からの光が貧弱になるので、中庭東側の2階南東側角には部屋を設けず、簡単な食事もできる屋外デッキスペースとし、手すりも中庭側はフラットバーにするなどし、できるだけ光を取り入れるようにしています。
    そうすることで、1階の玄関、廊下、個室、階段、2階食堂、居間への光だけでなく、広がり感や解放感、あるいは緑のもたらす安らぎ感も違ってきます。

    玄関正面にあるコの字型の中庭
    南に面した中庭のため、階段・廊下に陽光を確保できています。
    コの字型の中庭を2階西側から東方向を見ています。

    2-4「市川の家」

    周囲に住宅が建て込んでいる旗竿敷地で、プライバシーを確保しつつ光を採り入れることが設計のポイントになりました。
    建物をL字形にすることで、特に明るさの欲しい居間・食堂の南側隣地までの距離を十分とりました。そうして出来たL字のあいた部分をコーナーコートとすることによって、陽光を有効に導きつつ風も通します。2階のデッキを居間から離して南側隣家の影になる部分に設置することでコの字プランになり、1階デッキの上部空間を開放することで、陽光が1階にも届きます。

    一階の部屋に陽光が入ることを考え、二階デッキを遠ざけて設けた中庭の事例です

    2-5「文京区の家」

    住宅密集地で隣家が迫っている敷地であることから、プライバシー確保を重視し、コの字プランの通常開されている一辺を壁で塞いだ事例。明るさと、通風を確保するための中庭。

    中庭を囲む二階回廊のデッキ(著作書参照
    車庫から来客の車の進入も可能にした中庭で、各室が中庭に面して、採光を確保します。(著作書参照

    2-6「碑文谷の家」

    そのデッキ下は車庫兼玄関ポーチとなっていて、中庭デッキからの透過光が注ぎます。(著作書参照

    2-7「佐倉の家」

    高さ6mの敷地擁壁を半円の壁で囲んだ中庭
    (佐倉の家・著作書参照


    画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: 11.bmp
    道路からの外観は四角の建物で敷地進入路幅3mです。 (著作書参照

    2-8「空環居」

    道路より1.2m上がった敷地のため、低い塀で囲むだけで、圧迫感なくプライバシーを保てます。
    中庭に面して、廊下、居間、食堂とも全面ガラス張りで、一日中、日差しが十分差してきます。
    室内の扇状の小幅板が勾配に沿って貼られ、軒先迄届きます。
    半円形の屋根で囲まれた中庭の事例
    半円形の屋根で囲まれた中庭の事例
    玄関から中庭沿いの長い曲線の廊下を通って居間に至ります。

    3.L字型

    建物をL字型にし、2面の壁に中庭を隣接させたタイプです。
    庭を囲んでいる壁が少ないため、開放的な雰囲気にできます。
    建物の形状がそれほど特殊ではなく、他の中庭のタイプに比べて最も建物の間取りが自由になります。ただし、中庭の様子が外部から見えやすく、周囲の視線が気になりやすいです。中庭のデザインや配置の仕方によっては、一般的な庭とほとんど変わらない印象になる可能性もあります。

    3-1「飯能の家」

    プライバシーが確保された庭
    その庭に向けて玄関脇の開口を設けました。

    3-2「菊名の家」

    二階デッキの木製手すりを高くすることでプライバシーを確保して中庭風にした事例

    4.坪庭

    光や通風を主目的とした小さめの中庭。
    中庭としては広くないですが、明るさと通風を取り入れることができます。また、樹木を植えることなどで、眺める庭にすることもできます。外部からの視線が気にならないよりプライベートな空間になります。

    4-1「清浄居」

    小さい1.5間角の坪庭でも、引き込み戸を設け、採光と風抜き機能を持ち負けていません。
    地上の庭だけでなく、見上げると切り抜かれた空も見えます。
    浴室は坪庭に解放されています。
    トイレだって坪庭に解放されています。

    4-2「深沢の家」

    地下入り玄関の奥に設けた一畳分の広さの坪庭です。(深沢の家


    中庭は住まいづくりのコンセプトにもなることがある、計画の有効な手法です。本格的庭園となるとプロの造園設計者に依頼することもありますが(伊豆高原の家落葉舎飯能の家空庭舎)、建築のついでに作る簡易な中庭は、設計段階である程度のことを考えて、私どもから提案することが多いです。

    中庭というと、敷地が狭い場合に設けるかのように考えがちです。いま改めて設計事例を見返してみますと、皆、敷地そのものは広く、むしろ庭のプライバシーを確保するために設けていることが多いといえます。

    その理由は、庭として成立させるには最低の広さとして3間角(5.4m四方)を必要とし、その周囲に部屋を配するとなると、むしろある程度広い敷地でないと成立しにくいからです。

    また敷地が広く、平屋建てが可能な場合、各部屋を連ねていくと、居間食堂用の主になる庭にも、道路や外部空間にも接しない部屋が生じて、法的有効採光や通風が確保できないことがあります。その場合、光と通風確保のために坪庭(清浄居)やコの字型の小さな庭を設ける場合もあります。

    三方建物や塀等で囲まれたコの字型の庭は、敷地に十分な庭を設ける余裕がなく、その中で何とか緑や光や通風を確保したくて設ける場合が多いです。この場合、方位によって、陽ざしを取り入れたい部屋が1階にある場合、その対面の部屋は平屋にして陽ざしを遮らないようにしています(鎌倉の家)。敷地が広いのに、コの字型の庭を設けた事例に、庭そのものを計画のメインコンセプトにした「空環居」や「方円汎居」等があります。

    建築計画の参考になれば幸いです。


    浴室を楽しむ・ギャラリー|お風呂を楽しむ家

    窓の外に竹林が広がる浴室で、壁天井は桧の縁甲板(三ッ沢上町の家

    浴室の大きな窓の光が脱衣洗面所まで明るくしています。

    誰もが一度はイメージする温泉宿風に青石と御影石で作り、外も板壁で囲っています。(落葉舎

    浴槽も桧で庭も坪庭風に囲い、涼み台まで設えた浴室(深沢の家

    一室化した洗面脱衣トイレとガラスで仕切った浴室(真間川の家

    近接した隣家があり、低い地窓にし、洗面所一体の浴室(練馬の家

    広い浴室でも窓は小さく確保して庭を見せた事例(五枚屋根の家

    マンションの勾配屋根に天窓を設けた浴室(フラット大井町


    森の中に屋根・壁を半分ガラスで囲って飛び出させたハーフユニットの浴室(一不異二亭

    ベランダを葦簀で囲いバスコートにした事例(等々力の家

    浴室から境界までの少ない余地に植栽を設けた浴室(飯能の家

    市街化調整区域で隣家のない森に接する浴室(聖跡桜丘の家

    大型ハーフユニットバスの出窓から大室山を望む浴室(伊豆の家

    海の見える浴室(岬の家

    自宅裏庭に解放された浴室(北上尾の家

    本格的に浴室洗面所から眺める専用の庭を造った事例(伊豆高原の家

    通常、浴室にこだわるのは男性が多く、女性は洗いやすくメンテナンスの楽な浴室を要望されます。男性が口出すのは浴室ぐらいしかないという事情もあるかもしれません。

    浴室はこだわらないので普通に、と言われても、自分が設計するからには、浴室に限らずあらゆる箇所を、要望や法的責任に関係なく、この程度の機能や快適性と美しさはなきゃいけないでしょう、という余計なお世話的に努めようとするところがあります。

    その筆頭に浴室空間の快適性と他との差別化があります。予算があれば床や壁を石貼りや高価なタイルを貼ったり、高価なユニットバスにすることができますが、予算を加算せずにやれることは少なく、壁・天井と開口部を平易な材料でいじるぐらいしか操作できません。そのため安価な規格のハーフユニットを使い、開口部を有効に活用し、壁・天井に桧の板等を貼ることで、他との違いを表現することがよくあります。

    檜板は手入れが大変では、と心配されますが、お風呂を最後に出る方が、濡れている板壁をタオル等で拭き取っていただければ、カビも発生しにくく、きれいに保てるようです。タイルやユニットバスとは一味違った趣があります。

    それと窓からの眺めや見える小庭で、入浴中の心地よさが左右されるところがあります。他の視線を遮る手立てをしつつ植栽と照明で癒しの空間を何とか提供したいとあがいています。

    さらに少しでも広がりを出しつつ、脱衣洗面所も広くかつ明るくするために、洗面所との間仕切りをガラスにすることもよくやります。もちろん年頃のお嬢さんのいる家は、ブラインドは必須です。

    せっかく自分の家を創るなら浴室も気持ちよい空間にしませんか。


    和室 ・ 床の間 ・飾り棚ギャラリー

    日本人の多くの方は和室にいると、落ち着き馴染むと言われます。整然とした床の間に掛け軸でもあると何となく、丸まった背をしゃんとしたくなる方も多いかと思われます。

    数百年続いて洗練され、磨き上げられてきた和室は、日本人の体にしみ込んでいるからでしょうか。海外の方が真似して作った和室や床の間を見せていただくと、どことなく違和感を覚えるのもそのためと思います。

    しかし今日の家づくりでは、和室は不要ですと言われる方も少なくありません。長い年月、和室の中で過ごすうちに、無用の長物というかあまりいい印象を持てなかった方も少なくないようです。

    そこで和室を作るにしろ作らないにしろ、和室についての簡単な知識と、最近はこんな和室もできるということを知って頂くため、私どもの様々な事例を紹介してみようと思います。

    先ずは仏壇付きの真壁の和室から。

    名古屋の家の 床の間
    真壁で楷書の和室と床の間
    名古屋の家

    木造建築では、構造体の柱をそのまま露にする見せる真壁構造と、柱を覆って見せない大壁構造とがあります。半世紀前の庶民の殆どの住宅は真壁構造でした。ここ半世紀で殆どが大壁構造になってきました。さらに和風住宅には大きく貴族社会の頃に発達した「寝殿造り」、武家社会で確立してきた「書院造り」、茶室から発生した「数寄屋造り」の三つのスタイルがあります。一般的和室は書院造を踏襲して構成されています。その辺りの一般的和室については、ネットに色々出ていますので、詳しく知りたいかたは、そちらで調べて頂くとして、ここでは省略します。

    ただ、書道の文字に「楷書」「行書」「草書」の三段階の崩し文字があるように、和室の表情にも「真」(楷書)「行」「草」の崩し方があり、それに関連して私どもの和室の話をします。厳密な判断基準があるわけではありませんが、上の和室は真壁構造で長押も本格的なもので、真壁構造の「真」(楷書)の和室になります。

    北上尾の家の 和室 、 床の間
    居間に続き床の間を共有する大壁構造の「行」に属する和室
    北上尾の家

    次に、上の和室は大壁構造に付け柱と付鴨居で真壁風にしたもので、楷書ほど堅苦しくなく「行」になるかと思います。この和室は居間に連続する空間となっていて、居間との間の襖を空け放すと和室の床の間が、そのまま居間の空間に方向性と奥を感じさせる効果も狙っています。 設計事例の北上尾の家を参照ください。


    上の和室は、柱も長押もない、しかも床の間も簡易床と幕板だけある草書の和室です。
    この和室も「草書」に属します。廊下側の引き込み間仕切り障子越しに光が入る和室です。
    居間から続く床板を畳とし、床(とこ)だけを設けた簡易な、洞床のある「草」の和室です。
    聖蹟桜ヶ丘の家
    大壁構造に付け鴨居の「行」の和室です。茶を点てる炉と床の間を有しています。
    西伊豆の家
    船底天井を持つ真壁構造ながら変形の書院を持つ、「真」に近い「行」の和室
    落葉荘
    和紙貼りの壁と天井仕上げと一部葦合板天井を持つ「草」の和室
    棚楼居
    RC造の壁厚内で構成した簡易吊り床のある「草」の和室
    今戸の家
    方円汎居の 床の間
    洞床のある「草」の和室
    方円汎居
    同上の和室を廊下側から見た写真です。
    廊下居間側の壁と同じ和紙貼りの襖を閉じた、見返り床のある「草」の和室
    三ッ沢上町の家
    その廊下居間側の襖を開けると居間に連続し、中庭が見えます。
    三ッ沢上町の家
    キッチン側で簡易食事もでき、居間の天井で覆って床を畳にした和洋風の和室
    茶の間のある家
    引込障子で坪庭側を閉じた、和紙貼りの「草」の和室
    清浄居
    その障子を引き込んで坪庭を見せたところ
    一本引き引き込み建具と障子のある和室.

    若い方も和室でなくてもいいから床仕上げを畳にと、要望される方も少なくありません。

    和室ではなく、洋に類する部屋の床仕上げを畳にしたリビングダイニング
    南善福寺の家
    小上がりの畳の間の地袋を食卓に繋げた和室とダイニング(引き込み襖で仕切ることができる)
    居間から連続する小幅板の勾配天井をそのまま和室の天井とした事例
    リビングダイニングの一角を小上がりの茶の間風にした事例
    西八王子の家
    FSU工法の壁角材パネルに和紙を直貼りした畳の間、天井は葦べニアです。
    那須の家

    このように今日では様々な和室があり、畳の部屋という言い方が相応しい和室もあります。最後に最初の計画では納戸にするはずの部屋を、多様な使い方ができるように和室にという、設計変更で、急遽和室にしたお部屋を紹介します。

    窓に引き込み障子を入れて、木造の柱厚内で構成した、煤竹で吊った奥行10㎝の簡易床の間を設けた「草」の和室です。畳のある空間も悪くないと思いませんか。

     


    武蔵浦和の調剤薬局棟 外壁工事

    武蔵浦和の調剤薬局棟は外壁施工中。その北面外壁工事も2階北面を残すのみで、もうすぐ終わりそうです。内部は2階のフローリング張りが完了し、壁・天井の石膏ボート張りが進んでいるところ。内部建具の枠付けも始まっていました。
    工事完了予定まで、1か月を切りました。天気が心配でしたが、何とか大きな影響は受けず、工事は今のところ順調に進んでいます。外構工事は天気次第になってしまうので気がかりではありますが、天気に恵まれるように祈るのみです。

    表側の外壁は、建主からのご要望で大谷石調のサイディングです。少し離れてみると大谷石のように見えます。庇工事も完了です。

    前回のブログで紹介した建物南面のサイディングと違う柄です。手前側が大谷石調のサイディングです。

    屋根は、シート防水工事は完了して、現在換気棟の板金工事が進んでいるところ。

    内部は、断熱材の充填は終わり、内部壁下地の石膏ボード張りが進んでいました。


    武蔵浦和の調剤薬局棟 電気打ち合わせ

    今日は武蔵浦和の調剤薬局棟で電気打ち合わせでした。現場はどんどん進みます。

    現場は、屋根のシート防水工事は完了し屋根は換気棟が残っている状態。バルコニーの床もシート防水工事が完了。構造用合板張りやタイベック張り、通気胴縁は完了し外壁下地はほぼ終わりました。サッシの取り付けも完了。
    上棟時にはまだついていなかった構造金物を確認しました。

    電気関係は、外部照明器具やTVアンテナ等の位置を確認し、換気扇や天井埋込エアコン等の機器類の位置も最終確認。施主様から追加の要望があったコンセントや警備保障用の盤について位置を指示しました。

    外壁は、南側のサイディングを張っているところでした。

    1階の様子。調剤薬局の出入口の開口部は、コーナー窓でサッシではなく造作します。出入口は自動ドアを設置します。

    2階は外壁の断熱材充填がほぼ終わりました。エアコン配管、換気扇のダクト工事も進んでいます。


    武蔵浦和の調剤薬局棟 上棟

    武蔵浦和の調剤薬局棟が上棟しました。今日は建方2日目。午前中で屋根の断熱材、野地板張りまで進みました。金物はほぼ終わっています。

    道路に平行になるように変形した軒先。軒の出が大きい部分があるため風による煽りを防ぐ処置として水平材と頭つなぎ材を入れて補強してあります。

    今回は、屋根先端の広小舞は無垢材です。


    武蔵浦和の調剤薬局棟 基礎コンクリート打設

    武蔵浦和の調剤薬局棟は5/26基礎のコンクリート打設でした。今回は、耐圧盤と基礎立上りを同時打ち込みです。
    上の写真は、基礎立上りの内側の型枠も入って、立上りのコンクリート打設が完了した状態で、耐圧盤の打設の完了直前の様子。

    コンクリートの仕様はスランプ15で、水セメント比は50%。事前に提出されていた生コンの配合計画書で確認済み。コンクリートの配合は30-15-20。

    このコンクリート納入伝票は生コン車の運転手さんが持ってきて、ポンプ車に磁石で張り付けていきます。
    配合が事前に提出された生コンの配合計画書と一致しているか監理者として確認。OKです。
    生コンプラントから現場までの時間もチェック。これもOKでした。
    受入検査で確認したこの日のスランプは14.5cmでしたので、これもOK。

    生コン車からポンプ車に生コンが移されてポンプで送られます。

    耐圧盤打設中。隅々までコンクリートが入り込むようにしながら進んでいきます。

    耐圧盤と基礎立上りのコンクリート打設が終わった状態です。表面はコテで均してあります。このままコンクリートが固まって強度が出るまで養生します。次はいよいよ上棟です。
    6月の2週目に建方、上棟の予定です。


    武蔵浦和の調剤薬局棟 配筋検査

    武蔵浦和の調剤薬局棟は5/22配筋検査でした。

    20年前に結設計が設計した内科と皮膚科があるメディカルビルに、新たに耳鼻咽喉科が9月に開業します。それに合わせて隣の敷地に調剤薬局とメディカルビルの医局の入る建物を新築しています。
    既存のメディカルビルは、鉄筋コンクリート造ですが、今回新築する調剤薬局棟は木造です。

    7月末には調剤薬局開業に関する保健所の検査も入るので、7月下旬までに完成させる予定です。工期が短いですが、要所要所できちんと確認して工事を進めます。
    配筋検査は、鉄筋径、ピッチ、かぶり厚さ、継ぎ手長さなどなど、特に問題なし。

    生コンの配合計画書も確認。スランプ値15で、水セメント比50%。温度補正がないので、コンクリートの配合は30-15-20。
    今回は、耐圧盤と立上りを同時打ち込みにします。
    コンクリートの打設は、5/26の予定です。


    コロナ禍で考えたこと14「直に会えない人類は進化?滅亡?」

    タイトルも内容も潤いがないだけに、せめて伊豆の庭便りの写真を息継ぎに使わせて頂きます。

    庭をぐるっと一巡り

    地球上で恐竜やマンモス等のようのように、頂点に立った動物はいずれも滅亡してきた歴史があります。肉体的にも脳の大きさでもホモ・サピエンスより優れていたネアンデルタール人は、直に会ってコミニュケーションをとれる最大員数の150人以上の集団を統治する術を持てず滅亡したとのことです。ホモ・サピエンスは直に会わない者どうしでも、国家や貨幣等を共有幻想または象徴とすることで、数万人以上の集団統治が可能になり、生き残って、今や頂点に立っています。確かにホモ・サピエンスはコミュニケーションのためのツールとして、狼煙に始まって、文字や書物、電報電話、新聞・ラジオ・テレビ、宅配便、等々を生み出して数万、数百万という多くの人々とのコミュニケーションが可能になりました。人間社会が、さらにインターネットやSNS等で直に会わなくても交流の度合いが深く、多くなった今日、自ずと進むべき方向に導かれているのでしょうか。コロナ禍も英国型やインド型変異へと感染力や重症化の脅威が増し、経済活動もどんどんリモート化、オンライン化が進み、直に会う度合いが減少していく傾向にあります。

    緑の中がなぜか気持ちが安らぎます。

    米国人の4人に1人は陰謀論を信じているとのことです。日本にも陰謀論者が拡大してるかは判然としませんが、自分は普通だと思っている人ほど陰謀論に陥りやすいことを、毎日新聞で大治朋子氏がコラムに書いてました。一部転載します。
     “米国の認知心理学者のジョンクック氏らによると、人間の脳はあいまいさを嫌う。特にコロナ禍のような未解明な脅威がもたらす「不透明感」が苦手だ。だからすべては特定の集団が悪意を持って仕掛けた計画だ、などと単純明快に説明されると「心地よさ」を感じてしまいがちだという。陰謀論はそれを信じる人に優越感も与える。疫病が自然発生しても、自分にはその背後に潜む謀略を見抜く力があるとと感じさせる。危機がもたらす不透明さや不安、無力感。陰謀論がそこにつけこむのだとすれば誰も魅せられてしまう危険性がある。「自分=普通」という思い込みの強さも、陰謀論のような極端な思考につながりやすいのかもしれない。”

    時々代わって咲く季節の花々が彩を与えてくれます

    これを読んで妙に納得できました。普通という概念は、価値観や家族など様々な制度が地域社会で成立していた時代から、それらが社会のグローバル化と新自由主義的考え方の蔓延でそぐわなくなり、生きていく価値や意味が見出しにくくなってきました。しかも時代と共に考えるべき変数(問題)が増大しており、自分で将来を見通す法則を構築することは困難になり、一方的でもいいから分かり易い考え方の提示に惹かれるようになったということだと思います。個人的生活でも、これまで自分以外の人や世界との繋がりや情報取得がインターネットやSNSになって、直接的に触れ合う世界が狭くなってきました。かなり客観化して考えようと努めないと、独りよがり又は偏った思考になってもおかしくありません。そこに今、世界中の人がコロナ禍で、さらにオンラインでしか繋がれない世界となり、対面で得ていた直観的確信が持てず、熟年層には何処か心もとない感じや不透明感が増幅しています。何か手ごたえや確信持てるものが欲しいという思いが強くなって、陰謀論が蔓延る下地が益々整ってきていると言えます。賢明と思われているドイツでもネオナチやワイマール憲法の陰謀論が後を絶たないようです。ということは専制国家のように意図を持った者が、単純明快な説明で共通の敵や分断を作り出し、サイバー攻撃や力づくで情報や多くの人をコントロールすることも容易になったとも言えます。そのせいか専制主義国家が国民コントロールをし易くなり、決定の手続きがが複雑な民主主義国家より、増えていく世界の傾向が理解できます。コロナが陰謀論を蔓延らせる度合いと専制主義国家を増している、ということでしょうか。

    大きな木々が繁茂して覆うと、地に白い花が咲き乱れることはないようです

    一方で、最近、適職判定や結婚相手を探すのにAIに相談したいと考える人が多くなってきているとのことです。確かに自分の少ない経験や狭い世界で探すより数百や数千倍の母集団の様々な情報と条件の中から、自分に合う適職や相手を探す方が適切な結果を生むだろうと思われます。また今の教育は児童や生徒に挫折をさせることを良しとせず、また成功させるより失敗させないようにすることが肝要と考えられているようです。失敗しないためには、教員などよりAIに聞いた方がいいと考える若者が増えるのは無理ないことかもしれません。これは大事なことも、自分で考えて決めようとするのではなく、分かりやすい意見や、飛びつきやすい判断を参考にしようとする行為で、自分では考えないように人類がなってきているということでしょうか。

    木々の梢の緑と白壁が空の青さを一層引き立ててくれます

    さらにこれまではAIが単純な仕事をして、誰もが創造的な仕事をするようになるとも言われていました。ところがそれはエリート達の誤解で、創造的仕事はリスクを伴う意思決定が必要でそれは困難で責任も伴い疲れる作業で、誰もが従事したい仕事ではなくなってきたと言われているようです。高度な意思決定は確率的に確かなAIが行い、人間は比較的単純でコミュニケ―ションの伴う介護等の仕事を担うことになるのではとも言われています。つまり逆になっていくようです。

    AIはこのような大きな木々と草花と日々の暮らしの調和とってくれるでしょうか

    また人間の歴史は面倒なことを「外部化」してきた歴史でもあります。百姓という百の性(作業)を持つ農業をしていれば自給自足できた時代から、生産行為の専門分化と共に、様々な作業が外部化してきました。遠くに伝えることはかつては飛脚に、今は電話や郵便そしてメール、もめごとは弁護士、体調の具合の判断を医者に、家を設計したり建てたりするのは建築屋に、衣類や食料もリテイリング、食事もケイタリングと、どんどん外部化してきました。仕事などでもコロナの前から、直に会うのでなく、メールで済ませようとする傾向が多くなっていました。望むと望まざるとに関わらず、面倒なことの外部化は加速し、人類の統治も怪しいく間違いを犯す人間ではなく、間違いの少ないAIに任せることになっても不思議ではありません。

    ごつごつした無機質の岩も草花の中にあっては一役買ってくれます。

    そうなってくると、なまじ自分で考えようとする者より、統治者に委ねてそれに従う者の多い方が争いがなく平和なことなのかも知れません。そのためか、個々の人間は直に会わなくてもコミュニケーションがとれ、陰謀論者が増大するような狭い世界の中に置かれ、様々なゲームやSNSあるいはエンターテイメントなどで不満を意識しないよう飼い馴らされていくのでしょうか。自分で考え判断しているつもりにさせつつ、実際は統治者の統御しやすい、AIという統治用具を使い、ある目的のもとに統一して制御する者(管理機構)に導かれているのでしょうか。これは人類が動物の頂点に立ち続けるための統治の究極の姿で、最初からホモ・サピエンスにプログラミングされていたことなのでしょうか。これが人類の進化の方向なのでしょうか、それとも滅亡していく前触れなのでしょうか。コロナ禍のステイホームで夢想してしまいました。

    自然と、わずかな人の手とのハーモニーが一番美しい気がするのですが