月: 2007年6月

屋上庭園のある風景

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今日は気温も湿度も高く風も無く、PCフル稼働の環境下では、さすがに団扇と扇風機というわけにはいかず、28℃設定のエアコンが稼働中・・・。そんな中、地球温暖化への負荷を少しでも軽減できたらと、事務所ではお昼のお弁当に「割り箸禁止令」を発令し、各自お箸を用意することになりました。昨日(一部で)告示され週明けから施行です。ちなみに今のところ罰則はありません。

さて、まもなく完成する「足立の家(仮称)」は9坪の中庭を囲んだプランです。8年前に竣工した「つくばの家」も中庭を囲んだプランですが、今回は1階を車庫と通路にし住居部を2階に持ち上げた、言わば「空中庭園」なのです。この中庭には5月28日のブログでもご紹介したように建主さんと一緒に植木屋さんで選んできた様々な緑が植えられました。石張りのアクセントウォールには色々迷った挙句、最初に選んだ鉄平石を採用しました。機械切りでは無く手切りで加工した石は小端積みにするとその表情や色が緑と良く合い、建主の奥様とも「鉄平石を選んで正解でしたね♪」喜び合いました。池に面するウッドデッキから対岸へは飛び石を渡ります。低く鋭い庇のエッジで切り取られた空は、晴れた日には真っ青に、夕暮れ時には茜色にと季節や時間によって移り変わり、庭園の背景として様々な色で演出してくれることでしょう。「足立の家」は来月初旬に竣工を迎えます。(中嶋)


ふるさと納税

2,3日前、都会の都道府県と過疎の県とで地方税の奪い合いを“ふるさと納税”という形でしているニュースを見ました。政府官僚は政治的思惑で動かそうとするため情緒に訴えようとしているようです。個人的にブログでは政治的テーマに触れまいとしているのですがあまりにその場しのぎの人気取りの言葉でやろうとしているのでもうちょっと将来を見据えた哲学から考えられないのかと思い長くなりましたがついブログで取り上げてしまいました。

 簡単に言いますとふるさと納税などという気分的判断の入る余地を無くし、環境保全の観点から分配する方法を考えられないものかということです。つまり都道府県毎に人口一人当たりの森林等co2を吸収するなど地球の負荷を削減する能力の度合いに応じて負荷をかけている度合いの高い自冶体が税を削減能力の高い自冶体に分配するという考え方をしたらどうかというものです。

今日本では林業は衰退し森林が放置され、また異常なまでの宅地開発が進められたりしています。そのため山は荒れ豪雨時の水の保持もままならず崖崩れを引き起こすなど国土が荒れていっていることを国民の誰もが気にしています。日本では本来生産性の高い都会が対処すべき温暖化対策の一部を地方の森林が肩代わりしてくれています。その辺の根拠と理由を明解にしたら都会がその分の税を負担することはやむを得ないと思えるのではないかと思います。政治を預かろうとする者ならそのようにいびつな状態を立て直すという哲学に裏付けられた政策を提案できないものなのでしょうか。そのような税制の仕組みをつくることでそれぞれの自冶体もその後望ましい政策を反映するようになる気がします。

住宅の設計屋風情が何を言うかと怒られそうですがその住宅設計にも林業の衰退が不可思議な現象を生じさせているのです。私どもで開発しているFM工法という集成材を使った木造の壁式工法の家づくりを山武杉で有名な杉の産地のすぐ隣の千葉の印西でしようとしたとき、建材の大半を占めるその集成材の壁材は、アメリカで伐採した松を広島県の呉の工場で乾燥させ集成材にし、宮城県の石巻で加工(プレカット)し、千葉県の現場に搬入するのがなぜか最も低価格で実現する方法なのです。

どう考えてもおかしい捩れた社会状況と思いません?どうせ払う税ならその捩れた状況を是正する方向に向かって働くと思って払いたいものです。(藤原)


ヒートアイランド

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梅雨入りし、蒸し暑い日が続いています。事務所のベランダで涼んでいると見渡す限りビルビルビル…。草木の見当たらないヒートアイランドな眺めです。ヒートアイランドとは都市部の気温がその周辺部に比べて異常な高温を示す状況を指すそうで、東京は世界でも代表的なヒートアイランドだそうです。その中でもとくにこの事務所は日本の道路の起点にあたる日本橋に位置するヒートアイランドの中心地。更にコピー機・パソコン・そして基礎代謝の高そうな爽やかな男性数名が肩を並べるヒートパラダイスです。クーラーを掛けず我慢していると、居るだけで汗がにじみ図面が腕に貼りつき、不快な限りです(のでクーラーを掛けてしまいます)。これだけ見渡す限りのビルや車がそれぞれ好き放題排熱していたらヒートアイランドになるのも納得です。東京都や兵庫県では条例で屋上緑化(一定の条件下)が義務付けられているそうですが、そんな付け焼刃的対策で改善されるのでしょうか?また、さらりと屋上緑化をして下さいと法律で決められていますが、そう簡単ではありません。もともと屋外だしちょっと工夫すれば出来そうですが、造園屋さんによれば都市部屋上の過酷な状況に植えられる木々達はかなり無理しているそうです。水・土・栄養の補給や手入れは欠かせないし、周辺にホコリや落ち葉を飛ばす訳にもいかない、ダメになれば総取替えになり、建物の寿命と共に緑地としての使命も終えてしまう都市部のシワ寄せを無言で引き受ける悲しい緑地になっているそうです。もっと根本的な思考が必要なのだろうと思いますが…クーラーのスイッチを切る事の出来ない今日この頃です。夏はまだこれから…。(石井)


仕事のすすめ方

外資系コンサルに勤める友人によると、一つのプロジェクトにおいて、結論は初めの数日に下し、残りの期間は結論を論理的に説明するために費やすそうです。「始めの結論が間違えだと途中でわかったら?」という私の愚問に、「トップはそんなミスが許されない給料をもらっている」とのこと。まさしく藤原に薦められて最近読んだ『プロフェッショナル原論』(波頭亮/ちくま新書)の世界です。

設計では、費やしたエネルギーに関わらず、より良い方向が見えたとき方針の転換を決断することは少なくありません。出戻り作業のような無駄はないに越したことはないですし、プロフェッショナル意識が足りないという批判をされそうですが、その決断がトップの重大な役目でもある気がします。答えが無数にある設計業務ではそうならざるを得ないように思うのですが・・・。違う職種の友人と話すと、普段は見えない自分の仕事を見直すいい機会になります。(青島)


ネットカフェ

先日ネットカフェでシャワーを浴びて仮眠をとる機会がありました。最近ではカプセルホテルがライバル視するほどネットカフェの機能は拡大しているようです。店内はつくられて間もないようで新しく清潔感はあるのですが、お店の意図なのかほの暗い照明と、パーティションの向こう側から聞こえてくる「カタカタッ」というマウスの音が、独特の雰囲気をつくっていました。内装としては何か特殊なことをしているわけではないですが、今までには感じたことのない不思議な空気がありました。(大庭)


ラーメンにビール

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「ラーメンビール」ある酒屋さんで見つけたビールです。ラベルのデザインとインパクトのあるネーミングで見つけてすぐに買いました。ラーメンに合うビールということで、横浜のラーメン博物館で販売されていたようです。まずはビールのみの味で楽しもうと思いラーメンと一緒には飲んでいませんが、しっかりとした味なのに爽やかな飲み心地のビール(たぶん)で毎日でもいける感じです。天然発酵によるものなので普段飲んでいる人工炭酸のビールに比べると炭酸の刺激はあまりないですが、これが本来のビールなんだなと分かります。製造所も住まいのある船橋ということで私のお気に入りのお酒に加わりました。(萩原)


高所恐怖症ではなくとも…

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写真ではあまり高い感じが出ませんが、現在工事中のFM工法による物件の最上部の足場からの撮影です。実際は地面から足場まで11mほどあり、ネットも張られていないことから高所慣れしていない私などは下を見ると歩けません。そんなところに立ちながら300kgもある集成材パネルの位置調整をする大工さんや工事監督などは何か違う生き物のように思えてきます。実は落ちても飛べるんじゃないかとか。

しかし暑いですね。梅雨時期というのに殆ど雨も降らず、集成材の建て込みには最高です。萩原と日替わりで現場管理をしているのですが、ハワイに行った時より黒くなりました。猛暑に向けて水不足という芳しくないシナリオが見えてきましたが、なんとか屋根がかかるまで雨少なめが続いてくれると助かります。(柳本)


日本橋

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私どもの事務所「結設計」は日本橋堀留町という町名の場所にあります。

この日本橋が頭についた「日本橋○○町」という町名は、中央区のおよそ北半分の地域に数多く見られます。

事務所の周りの町名だけをいくつかあげると、日本橋大伝馬町、日本橋小伝馬町、日本橋馬喰町、日本橋富沢町、日本橋人形町・・・等々。

戦前にあった日本橋区が、戦後京橋区と合併して中央区になったとき、合併後も日本橋の名前だけは残したいということから元日本橋区の町名の前に日本橋をつけることになったそうです。そのためかなり広い範囲で日本橋○○町があります。

ですから私どもの事務所に来ていただく際には、日本橋という町名の印象で橋の「日本橋」に行ってしまっても歩くとかなり距離がありますので、ご注意を!(加藤)


西新宿と紫陽花と団扇

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今日も都心では気温が30℃を超えました。夕方以降は風も止み、PCが複数起動している事務所の中は蒸し風呂のようですが、「エコ!」と称して団扇を扇ぎながら残業中です。梅雨はどこへ?公園の紫陽花もさぞや雨を欲していることでしょう・・・。さて、一般にはあまり知られていないようですが、明日20日から建築基準法が一部改正されます。一連の耐震偽装事件を受けての改正と思われますが、特に確認申請の審査要領がかなり厳しくなり(・・・少々理不尽では?と思われる程・・・)、特に構造審査がある物件は今までよりも倍近く審査期間が延長されます。今回の改正は国交省からの指針が間際になって出されたこともあり、審査の現場は混乱気味な状況です。今朝立寄った西新宿の審査機関もかなり込み合い、係りの人の話では昨日は行列が出来たそうです。そんな西新宿に新たな高層ビルが建設されています。過日名古屋でクレーンからの落下事故があった芸術系専門学校のビルで、完成すると写真中央のような曲線をもつ建物になるようです。東京は再開発需要の煽りもあって劇的に風景を変えています。無機質化する都市の環境にあるからこそ色付いた紫陽花がその美しさを際立たせているのかもしれません・・・。そんな思いに耽っているうちに大分涼しくなってきました。さて、もう一踏ん張り。(中嶋)


研修

一昨日古くからの友人設計者と所員交えてお互い設計した住宅を見学し合う研修会を行いました。彼は木造でも鉄を隠し味に使い、大きな屋根を薄く繊細でシャープに見せ、美しい建築を造ることで定評のある設計者です。

その後ビールを飲みながら全員感想を述べ合ったのですが、最初は当たり障りのない批評でしたが、酔いが回るにつれて建築批判から人物評になり、品定めやら普段なかなか言う機会のないボスの行いの是正教育にまで発展し、楽しいひと時を過ごしました。

本来設計者だけで行くつもりが当日午前に事務所に訪ねて来られたお客さんが私たちの設計を大変気に入って下さっているようでしたのでつい、その方にも一緒に行きますかと誘ってしまいました。又それ以前の内覧会に遥か遠くからいらしてくださった方も大変共感を示されたのでその日のことを話しやはり誘っていて、二組のお客さんをお連れすることになってしまいました。友人の設計者に研修会か営業のどっちが主なんだと叱られてしまい、その日だけはお客さんを放ったらかして友人への説明に終始してました。最もそこの建てぬしさんは私よりその家の説明には長けていてかえって初めて見たお客さんにもよかったかもしれません。

ここ2,3ヶ月いくつか特徴の異なる大きめの住宅の引渡しが続く予定で、もしかしたらこの時期訪ねて来られた方で共感していただけた方には普段見られない住宅を個人的にご案内できる機会は多くなるかも知れません。(藤原)

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